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広島の学生の日々は終わりました。今は高齢者の方々と関わる仕事をしています。それにしても、日々のツレヅレであることは、間違いありません。 
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お久しぶりです。いやぁ、どうしたことか。
日々のながれるスピードが異様なはやさ、です。
置いていかれる!!

以下には、個人的文章が、あります。
物語でも、小説でもないし、かといって、単なる日記でもありません。
ただの感情の羅列です。
だから、稚拙さも手伝って、アップしようかいなか
悩みに悩みに悩みに悩みぬきました。
しかし、携帯の送信ボックスに、宛名もなく放置しておくことが、
溢れる感情のせいで、できなくなり、ひっそりと、置くことにしました。
(真理子に読んでもらおうか、も悩んだよ~。
しかし、ただの感情の羅列だなと悟りブログに置くことにしました。)

本当に、自分のために、妹のために、書いたので、進むことは推奨いたしません。
ならば、のせる意味は、ないのかもしれない。と、何度も、思ったのですが、
昨日、彼女の四十九日だったということもあり、意を決して、置くことにします。

サンルームは、温かい。
目の前に無造作に置かれた青い首輪の止め金に、陽の光が反射している。
もう、この首輪の持ち主は、5寸の骨壺の中だ。
なのに、この首輪はここにあって、ドックフードも座っていた座布団も、晩年に利尿剤を吐いた染みさえも、そのまま残っている。

もっと、鬱々するかと思っていた。
何日も寝込むかと思っていた。
私の一部だと、ずっと、信じていたから。
実際は、横たわった肢体を前にして、数分泣き喚いただけだった。




母の会社に引き取りにいった時は、子どもの私でも軽々と抱えられるくらいの大きさだった。
車に酔っていたのと、突然親から引き離されたのとで、愛嬌を振りまく兄弟には背をむけて、机の下に隠れて震えていた。

どちらにする?こっちの子の方が、気は弱そうだけど、器量がいいね。
ほら、顔の真ん中にスーッとしたラインがあって。
母のストライクポイントのどこに誘因があるのか、私にはよくわからなかったが、
机の下で震えるその子をはやく、安心する場所にうつしたくてたまらなかった。

私は、その頃、相当の内弁慶で、両親と離れて独立心と協調性を育てよう!だかなんだかしらないが、そんな目的の二泊三日子どもキャンプによく強制移送されていた。
初対面の時、小さい背中の震えに、9歳の私は、いみじく共感を覚えていたのだ。




動かなくなって次の朝、車は、犬猫霊園へ向かって、
後部座席の重さを配慮しながらひた走っていた。
着いた早々、前髪の揃った黒髪のお姉さんが、荷台に乗せて段ボール箱を持ってくる。
母と二人、毛布のはしとはしをもって、ゆっくりと移動させる。
やはりずっしり重い。
腹水の溜まった腹が奇妙にたぷたぷ揺れている。

そういえば、私が小さい身体を、歩いて家に持ち帰った。段ボール箱にそっといれて。
はじめて感じた、重さ。どこに行くの?といった様子で私をみたり、周りを見渡したりする不安そうな眼。
私は、大丈夫、大丈夫だよ。と何度も声をかける。
大切にするから、気を許して大丈夫、大丈夫だよ…。

腹水で膨らんだお腹が、焼却炉の扉に隠されてみえなくなる。




骨になるまで、一時間半。
母と私は、庭園に面したソファに並んで、無言で腰掛けた。
隣りで、霊園のアイドル(と入口に書かれた貼紙があった)み~ちゃんというブチ猫が気持ち良さそうに、日向ぼっこをしている。
大丈夫、成仏するから。母が突然口を開く。
私が頷く横で、み~ちゃんは悠々とあくびをする。




骨は整然と並べられて、無機質なプレートのうえに、あった。
お姉さんは冷静に、丁寧に、こちらが頭蓋骨、脊髄に、こちらが喉のあたりの骨…と説明してくれる。
意外に、細くて小さい。尻尾の骨なんて、一番太いところでも、5ミリもない。
一部分だけとってネズミの骨ですといわれたら、知識のない私は、簡単に騙されていただろう。
ただ、鼻筋だけは、骨になっても、スーッとしていた。
母の力説、ストライクポイント。

本当に、焼かれたのだ。




不在を迎えたら、発熱、食欲減退、不眠…どれか起こると本気で思っていた。思っていたのに、症状としては、あきれるくらい健全な食欲だけ。
あの日から三日目、昨日の夕飯には、すき焼をたらふく食べた。
肉厚な椎茸を味わい、脂がのった牛の肉を噛み砕き、新鮮な卵を飲み干した。
満腹な腹を抱えていたら、胸が空いてきた。

このままぶくぶく肥えて、ここから身動きがとれなくなってしまうかもしれない。
そして、反比例したかのように心がすかすかになって強い寂寥感に襲われるのだ。
執着じみた妄想の類だと、解っている自分に嫌気がさした。

忘れていくのは当然だな。生きていくっていうのは時に残酷だからね。
父と母の発声音はとぎれとぎれ、
電子レンジの音、皿と箸の接触音、酒をとっくりへつぐ音に、まぎれていく。




…そうだ。だからこそ、私は今日も執着心に頭までずっぽり埋まって、
新しく一部となるものを惜しみ無く、取り込んでいくことにしよう。
忘却の罪をひっ被り、残酷であることとまるまる一つでいてやる。
今夜は真っ赤な、マグロらしい。


サンルームに冷気が忍び込んだ。夕陽が、静かに、滑らかに、沈んでいく。





勝手気ままに、書き散らした拙いものですが、私の思いの全てです。
本当は以下の3語で充分なのですが、どうしても、しっかりと残したかった。



ff2407b1.JPG





ありがとう。リン。ずっと大好き、だよ。
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無題
本当に時が過ぎるのって早いですなあ。
みおりちゃんがブログ更新してすぐに記事は見ていたんだけど(今の私にはRSSリーダーがいるのだ!)、自分の中の感情が上手く纏まらなくって。混沌としたものを吐き出してもみたりしたけど、なんだかやっぱり違う気もして。
そうしたら、時を超えてました(笑)

実はまだ全部纏まっていないのだけど。今、伝えよう、と思って。もやもやも全部。

まず。
私に読んでもらおかなって思ってもらえたのは光栄なのです!(ぺこり)私はみおりちゃんの書く文章が大好きなので、ぱくぱくなんでも読んでしまうよー(笑)
感情だってなんだって、ぱくぱく食べてしまうのさ、きっと。

リンちゃん、はじめて見ました。本当、鼻筋がすーってしているね。めごい。
君とおなじ目をしているね。……というとあれだけども。でもね、ちゃんと愛情を知っている目だと思うよ。
撮ったのはみおりちゃんなのかな?だからこんなに無防備なのだろうか。

みおりちゃんの内に起こった葛藤が、理解できる……と言ってしまうのは傲慢なのかもしれないけれど、やっぱりすごくね、分かってしまうような気になってしまいました。
ひとつ言えるのは。
リンちゃんは、とても上手なお別れの仕方をしたんだよってこと。さよらなら、ありがとう、だいすきだよ……全部を伝える時間をみおりちゃんや家族の人たちに与えてくれた。とっても上手なお別れで、だからきっとみおりちゃんも上手にお別れすることができたのだと思う。
痛みが、悲しみがあるのが上手なお別れではないのだよ。それを間違ってはいけないのだよ。

忘れるのは怖いよね。思った以上に哀しみを体現することのない自分も、それを課そうとする気持ちも。何もかも、自分の中の相手への愛情を疑ってしまう論拠になってしまうよね。
だから怖れてしまう、というのはあるかもしれない。なんていうのかなあ……
でも、愛してたんだよ。愛してるんだよ。
だからきっと、そこは怖がらなくていいのだと思う。

うーん、私も、感覚的に全部まとめてしまうと、
「ここにいるんだよ」
ってことになってしまうのであった……
ここにいるんだよ、だからだよ、って。
なんだそりゃ、な内容なのだけども、そうなってしまうのです。むむ……

へんなコメントでごめんねー(汗)
最後のみっつのことばが真実なのだから、それでいいのだと私は思うのです。ということで締めに致します。
それでは、また。リンちゃんのこともゆっくりと聞かせてくださいな。
ではでは。
真理子 2009/04/29 00:21 編集
無題
うん、とても、自分の中に、とどまっている余裕がないくらい…はやい。
RSSリーダーとはなんぞや?今度教えてくださいな♪

コメントありがとう、本当ありがとう。

なんでも読んでくれるといってくれて、本当ありがとよー!

リンは、以前も、散歩しながら出会ったおばさんに、本当にこの子は可愛がられているんだね、顔が優しい。といわれたことがあるよ。真理子からもそういってもらえると、あ、本当のことだったんだ…!と、思える。(おばちゃんを信じていなかったわけではなくて…)
カメラマンは私です。光の加減とか無視でとりました(笑)
葛藤を共感してもらえて…私嬉しく思うよ。
うん、そうだね。ひとつひとつ、受け入れさせるように、むかっていってくれたのだと、思う。
段階的に死にむかってくれて…たぶん…私を、待っていてくれたのではないかという亡くなり方をしてくれて…
うん、ありがとう。そう、だね。
悲しむことは、必ずしも、亡くなったものの為ではないし、私がリンを大好きだったことは、いつまでも、そこにあって。

忘れることは、どうも、そうだなぁ。うん。怖かったの…だなぁ。
親(特に父)のように割り切って生きることもできて、そうしていけばいいって、頭の隅にあって。
ただ…でも、仕方ないでは終わらせたくなくて…(真理子のいっていることは、諦めという意味ではないということ、わかっているよー)

真理子のいうように、ここに在ることをしっかりと見据えて、死と向き合おうと思う。

全然へんなコメントではないよー!!!ありがとう。
うん、またね♪
話しましょう♪

ps 真理子のところのブログでね、更新されていた詩、とても、胸に響きました。
miori 2009/04/29 11:42 編集
無題
お久しぶりです。ブログの更新を待っておりました。私は部外者ですので軽々とは発言できませんが、忘れない限りリンさんはあるのかも知れませんね。今後もブログ楽しみにしております。
一般人 2009/05/05 16:21 編集
無題
一般人さん、コメントありがとうございます♪
返信コメント、おくれてしまい申し訳ありません。

このようなしがないブログですが、待っていたといっていただけて…本当に本当にありがとうございますー!!

命については…リンが生きていたことによって受けた、たくさんの影響を、私が忘れない限り、そこにいてくれる…のですよね。

読んでいただき、言葉もいただき、そして楽しみにもしていただけて、心から嬉しく思っています。
はい!またぜひいらしてください♪それに見合うよう、楽しんで、連ねさせていただきます♪
みおり 2009/05/08 09:28 編集
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miori
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自己紹介:
心底好きなものに通底しているのは、
繊細な生活描写や、くるくる目まぐるしく移り行く女の子たちの気分。苦悩に虚脱感を抱えつつそれでも心の繋がりを諦められない人間の生き様、そして触れ合うことの温かさと切なさ、等々です。

太宰治の苦悩を包むユーモアに溢れた短編、江國香織さんの空虚と切なさ纏った文章、梨木香歩さんの丁寧な生活描写は何度読み耽っても足りないくらい、吸収していたいもの。「ともだちは海のにおい」は忘れ難い居場所をくれた本でいつかクジラの口の中で本を読むこと、志しています。(本人はいたって真剣です。)
潔く柔く、3月のライオン、セーラームーン(多大な影響)、幽☆遊☆白書。従兄弟の家に平積みされていた桂正和さんの漫画(確かウィングマンと、電影少女)描かれた女の子の可愛さに、卒倒しかけました。漫画は何でも始終ウェルカム。
ジェイン・オースティンの読書会、ショーシャンクの空に、ヴァージン・スーサイズ。
ジブリの生活描写が堪らないです。目玉焼きのせた食パンの食べ方、キキが新しい生活を始める様、お弁当に桜でんぶ…ひとつひとつ身悶え。
最近ぽちぽち踏み入ったのはアニメの扉。
最近は、キルラキルに痺れ、凪のあすからに心奪われています。
椎名林檎、SPEED、BUMP OF CHIKEN思い入れ強く、強く好きです。
ゲームはRPG。FF8、逆転裁判3、幻想水滸伝2、テイルズはアビスとヴェスペリア、MOTHER2に変わらぬ愛。

どう考えても楽しいのは私だけな文が続きましたが(まずこのブログを観る人はいるのだろうか、そして誰がこの長いプロフィール欄に目を留め最後まで読むだろうかと)、いつか誰かが、わかる、良いよね!と、心の中で唱えてくれることを願って。

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